安寧の日記(10/21)真実


『真実はひとつだと仮定してみよう』
唐突に悪魔はそう私に囁いた

『真実がひとつならば
 他の全ては真実ではないことになる』

『つまり
 (他の全ては真実ではない)も真実ではない』

「いやに理屈ばかりだね。」
私はやっと言葉をはさむ。

『つまり
 真実はひとつではない』

「ひとつの事実について
 真実はひとつだと思うけどね。」

『事実の数だけ
 真実は存在する』

「真実を裏付けるものも
 真実でなければ
 それは真実ではない。」

『早急すぎるな』
そう言い残して悪魔は去って行った。

「それが真実であると
 裏付ける事実がなければ
 それは真実ではない。」

私は また 歩き始める。



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