春
存在を否定したつもりはないが
何時までも 春が続くものかと
常に春を表現するものを
ポジティブだけを表記するするものを
私は 疑った・・・疑っていた
存在を許容することが
自己の存在を許容してもらうための
パスポートだと信じてきた
それは 今も 変わらない
※
千の表現を費やそうとも
その高みには至らない
なぜなら 自らの重みに
自己崩壊してしまうから
※
「すべての雨は 最初 雪として 降るのよ。」
「天のおもいが そのままに 地上に届くなんて 素敵じゃない?」
「雪って 冷たくないのよ。降り積もった雪が 地上の植物たちを
それ以上 冷やさないから春に植物は 芽吹くのだから。」
※
千の言葉を費やし
千の言葉を消し去る
うまれきたものを
育みもせずに
うまれきたおもいを
培いもせずに
桑の葉を食む蚕
ふと首をもたげて
帰らぬ主 顧みる
※
明るいだけの心なんていらない
いっそ ほの暗い心がいい
どんな些細な光も 見逃さないように
喜びに満ちただけの心なんていらない
いっそ 悲しみに満ちた心がいい
どんな些細な喜びも 見逃さないように
※
ことば ひとつ ひとつでは こえられないよ
ことばが おもいを こえるとき
おもいが ことばを こえるとき
おいつ おわれつ 私がある
※
※
淋しいのは 心にすき間があるから
心が 何かで満たされていないから
あなたのための心の空間があるから
あなたしか埋められない空間があるから
淋しいのは 淋しがらせてくれたから
心が あなたを求めてしまうから
心が求めるものを 体も求めてしまうから
求めても得られないから
から から から 理由ばかりで
理由ばかりで 原因ばかりで結果がないから
結果があっても それがまた原因になるから
から から から・・・だから あなたにあいたい
※
人と人とのプロトコルって
一定してないよね
この人には このプロトコル
あの人には あのプロトコル
個別の二人が個別のままに
勝手に回る歯車みたいに
それでも どこかで噛み合っているのかな
それでも どこかに噛み合っているのかな
歯車って 凸凹があわないと
お互いを傷つけあってしまうものね
※
たとえ その世界に
ふたりしかいなくても
どちらかが悪魔で
どちらかが天使だ
互いが互いを
悪魔だと思っている
自分こそ
天使だと思っている
天使は天使の顔してる
悪魔も天使の顔してる
似たもの同士
「一緒にしないでよ!」
お互いに同じこと叫んでる
「一緒にしないでよ!」
「私はあなたと違うわ。」
お互いに同じこと叫んでる
※
ビル風に儚く舞う 春のカザハナ
散ろうとして 大地に至ろうとして
大地に至れず 天空を舞う
やっとアスファルトに着地し
ビル風にふきだまる
春のカザハナ
天空を舞っている時も
地にふきだまる時も
綺麗だと思った
きっと これから
土に戻っていくんだね
また サクラの花には
なれないだろうけど
他の何かになれるね
本当の綺麗さって
そこにあるんだね
儚いのは
他の何かになれない
ボクの方なんだね
※
どちらに転がるのか
思い悩むよりも
実際に転がしてみればいい
何かに追っかけられるより
何かを追っかける方がいい
ジレンマは 高みに立って
そこから見下ろせばいい
※
混沌の中
偶然の蟠りが
秩序に見えてくる
何度も 何度も
崩壊する その秩序を
ボクは ここで眺めた
秩序の中
偶然の空白が
崇高な真実に見えてくる
何度も 何度も
崩壊する そんな真実を
ボクは ここで眺めた
※
烏合の衆にも
派閥ができてしまう
それが人間社会だと
改めて 気付かされたよ
本物の悪魔は 暗がりでなく
ひとごみにいるものらしい
※
でもね
楽園を追われたイヴは
まだ 粘土の部分を
残していたのだよ
だからね
涙を流すたびに
汗を流すたびに
少しずつ すこしずつ
崩れていったんだね
春になると
草木が萌芽するように
いろんなおもいが
首をもたげてくる
それは断片となって
ボクに詩を書かせる

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